2019ゴールデンウィーク九州ツーリング<5日目-その1>

五日目、外は雨
前日の天気予報では、熊本・鹿児島共に曇り、または午前中は雨だが昼頃には回復する、とのことだったので、ルートについては天気の回復次第ということで、熊本市を出発した
事前の計画では天草に渡り、そこからフェリーで鹿児島入りをする予定だったが、休養日を取った関係で、天草はパス
即高速に乗り、南下しつつ天気が回復するのを待ち、雨がやんだところで高速を降りて下道ツーリングに切り替えようことになった
えびの周辺、天気が回復せず通過
鹿児島、天気が回復せず通過
指宿スカイライン、天気が回復せずに国道226号を選択
そんなわけで最初の目的地である指宿までは、ノンストップだった
時間には余裕を見ていたはずだったが、鹿児島湾にかかるあたりから軽い渋滞があり、休憩せずに走って、ちょうど予定時刻通りといったところだった
指宿に立ち寄った目当ては有名な砂風呂だったのだが…
当然、ある程度の混雑は予想してたものの、実際の待ち時間はなんと200分越え
流石にその場でただ待つという選択肢はなかったが、乗船できるフェリーの出航時間によっては、もしかしたら結果的にそれくらいの時間が潰れるかもしれない、ということで一応整理券を受け取った
その上で、砂風呂ではなく普通の温泉なら待ち時間無しで入浴できるとのことだったので、雨の高速で冷えた体を休ませるため、湯に浸かることにした
温泉単体では湯の塩分が高いこと以外は、展望が良いわけでもなく、特筆することもない普通の風呂だった

風呂から上がっても雨は上がらず
いつの間にか破れていたサイドバッグのレインカバーに舌打ちする
なんとか養生テープでリカバリーを試みるものの、結局はそれ以前に、後輪が撥ねた水がバッグの下部から染み込んでおり、破れていようがいまいが長雨にはあまり有効な装備ではないことが判明した
どうせサイドバッグに収納しているのはテント関係が主で、それ以外は特に濡れて困るものではないし、と自分を慰めながら、フェリー乗り場へ
フェリー乗り場のすぐ横には道の駅があるらしいので、もし到着してすぐの便に乗れなければ、そこで食事をしつつ待てばいいだろう、等と考えていた
しかし、やはり今回の連休はすべての勝手が違った
乗り場前に到着すると、待機しているバイクが見えたので、我々もその後ろに付けようとした
すると誘導しているらしい係員が誘導棒を水平に掲げる
なんと、まだ昼過ぎだというのにその日の便はすべて埋まってしまっているというのだ
すべてというのは、バイクの枠が、ということである
というのも、GW期間中バイクの台数は1便2台までに制限しているというのだ
この「フェリーなんきゅう」は、特にバイク用の積載エリアが設定されているわけではなく、フラットな積載エリアに車両を積んでいくタイプらしい
にもかかわらず、2台の制限ということは、自動車優先のためにバイクは断っているということだ
これには納得がいかなかった
車を1台止めるスペースがあれば、ほとんどのバイクは2台以上止められるわけで
加えて言うと、前日に混雑具合の確認のために電話を入れていたのだが、その際には台数制限の話は一切無かった
勿論、いくら抗議しても、じゃあ乗ってください、などとなるわけもない
イレギュラーな状況で運行会社も大変なのはわかる
フェリー側も営利企業ではあるし、利益を最大化するためには様々な判断があるのだろうし、そこに口出しするようなことではないかもしれないが…
納得は出来ないとはいえ、ごねたところでどうなるわけでもない
不満顔のまま、とりあえず昼食だ、と、向かいの道の駅にバイクを止めるも、海鮮料理を主に出している店だろうか、唯一の食堂には人がごった返し、行列もできている
適当に売店を漁って腹を満たすことも考えたが、それも土産屋然とした品揃えで、その場で食べるようなものはほぼ並んでいなかった
様々な裏目が重なり、すぐに走り出す気力も湧かない状態では、軒先の自動販売機で一休みする他無かった

コーヒーを飲み、つかの間の休息
少し冷静になり、ここから何をするにしても、優先順位の高い事からひとつずつ解決していかなくては、と頭を切り替え、フェリーに乗船できない以上はまずは宿の確保だと考える
料金に重点を置き、スマホで検索をかけたところ、「かいもん山麓ふれあい公園」という場所がヒット
この期に及んで更なる空振りは勘弁願いたいので電話を入れてみると、少なくとも宿泊できないほど混雑はしていない模様である
山川港からは20分
精神的な疲れが大きかったのだろう、とりあえず腹に何かを入れたい心境ではあったものの、食事どころを探すにしても、荷物を降ろしてからのほうが楽なはずということで、腹の虫の鳴き声に耳を塞ぎ、ナビに入れた道を急ぐ
不幸中の幸いで雨脚は弱まり始め、進行方向左側には畑、その向こうには海、少し進むと前方にはまだ頭に雲の傘をかぶった開聞岳が見えてきた
晴天の下ならばさぞかし爽やかな景色だろうに、と嘆きながらも、延々と景色の変わらない湾岸の渋滞を、雨に打たれながら南下したときに比べると多少は心は晴れてきていた

かいもん山麓ふれあい公園」のキャンプ場は、名前のとおり開聞岳の麓にある
先ほどまでそれなりの雨が降っていたにもかかわらず、キャンプ場は賑わっており、そこそこの数のテントが張られていた
キャンプ場の厚意で、荷物を降ろす際には駐車場から芝生ギリギリの場所までバイクで乗りつけることができた
炊事場近くの木の根元に設営を行い、ようやく腰を落ち着ける
最大の懸念事項である宿の確保が済んだことから気分がスッと軽くなり、さてようやく腹ごしらえだ、となるはずだったが、時計を見ると、すでにそこそこいい時間である
キャンプ場受付で尋ねても、その時間から食事となると、居酒屋のような店が営業を開始するまで待つしかないようなことを言われてしまう
迷ったが、よくよく考えてみれば5日目にして初めてのキャンプ、ここはBBQにしようではないかとなり、炭その他の用具を調達にコメリへ、食材を調達へAコープへと向かうことにした